守山市埋文センター職員がデビュー作

『火喰鳥』シリーズも決まり意欲を見せる今村さん

守山市埋蔵文化財センター調査員を務める今村翔吾さん(32)が『火喰鳥・羽州ぼろ鳶組』(祥伝社文庫)を書き下ろし、3月15日全国の書店で販売されている。デビュー作となるこの小説は江戸時代(明和期)の武家火消が主人公。壊滅した藩の消火組織を再建する骨太の作品で、作中に守山宿も登場する。今村さんは「多くの守山市民にも読んでほしい」と訴えている。

子どもの頃から歴史書や時代小説に親しんだ今村さんは、中学生までに司馬遼太郎や池波正太郎、佐伯泰英らの小説を読破したほどの歴史好き。「日本人の心の優しさと強さ、武士道精神が込められいつも間にか時代小説に魅せられていた」という。

出身地は京都府木津川市。仕事の関係で滋賀県草津市に移住した。2年前に市埋文センター勤務と同時に小説を書き始め「一日も欠かさず筆を執り2カ月で500枚を書き上げる」という筆力。これまで「蹴れ、彦五郎」で伊豆文学賞の大賞受賞。「狐の城」では九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞に輝いた。いずれも短編小説で今回は初の長編小説で、出版社から『火喰鳥』のシリーズも決まった。文芸評論家・細谷正充氏は「侍火消の再起が力強く男ロマンを感じる」と評価している。

全国の書店で販売されている今村さんのデビュー作

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